Lesson9-1 SDGsのアイデア①

これまでSDGs実践について多くのことを学んできました。

それでもまだ、イメージがつかめていない人も多いかもしれません。

SDGsはテーマが壮大で広範囲なので、
現実的に自社で何ができるのか、
アイデアが思い浮かばないところもあるでしょう。

しかし、SDGsは大きなテーマから小さなテーマまで、
さまざまな取り組みがあります。

「え、そんな取り組みもありなの?」
「それもSDGsになるの?」

と思えるような取り組みもたくさんあります。

Lesson9では、中小企業がSDGsを実践する時に、
参考になるようなアイデアをピックアップしましたので、
どのようなものがあるか見ていきましょう。

自社の取り組みのヒントになりそうなものを
探してみてください。

このレッスンではその中でも「商品アイデア」について取り上げました。

SDGsの商品アイディア

ユニバーサルデザイン

「ユニバーサルデザイン」という言葉を聞いたことがありますか。

ユニバーサルデザインとは、年齢、性別、国籍、言語、身体の状態といった、
個々人の違いに関係なく、
誰もが使いやすくて、できるだけ多くの人が利用できることを目指した、
ものや仕組み、サービス、建物、まちなどを提供する考えのことです。

周りを見渡せば、子どもから老人、妊産婦、車椅子の人、障がい者、外国人など、
さまざまな人が暮らしています。

全ての人が使える、みんなに優しいデザインが、ユニバーサルデザインです。

あなたの周りにも、
探してみればたくさんのユニバーサルデザインが見つかるはずです。

ユニバーサルデザインの概念は、
SDGsの理念「誰一人取り残さない」に共通する考え方だと思いませんか。

目標11「住み続けられるまちづくりを」など、
あらゆる目標にも関連しています。

自社の製品開発で、ユニバーサルデザインを取り入れよう

製品開発をする時に、
それをさまざまな人が使うことを想像してみてください。

その製品を使う誰もが使いやすいように設計しましょう。

例えば「ハサミ」なら、
「手に障がいがある人、握力の弱い幼児やお年寄りなども
使えるだろうか」
と考えてみてください。

日本語が読めない外国人のために、
外国語のメニューや標識などを取り入れるのもユニバーサルデザインです。

お客に寄り添って開発された商品やサービスは、
それを使う人に支持されるばかりでなく、
自社のサービスの市場規模を広げるきっかけにもなります。

脱プラスチック製品

プラスチックは耐久性がある上に、とても安価であるため、
容器や梱包、ショッピング袋など、
ありとあらゆるものに使われています。

しかしプラスチック製品はゴミとして焼却すると二酸化炭素を排出しますし、
投棄されてしまえば海洋プラスチックゴミにもなってしまい、

環境破壊の要因となっています。

またプラスチックの原料は石油です。

化石燃料である石油を使うことは、
SDGsの目標からはかけ離れているのです。

世界では脱プラスチック化が進み、
国によっては使い捨てのプラスチック製品の使用が禁止されたり、
日本でもマイバックの使用が推奨されるなど、
環境を配慮した動きがあります。

プラスチックの代替品

プラスチックの代替品としては主に2つあります。

1.別素材でつくるもの

  • 植物繊維(ヘチマ、ヤシ、麻など)
  • 金属
  • シリコン
  • その他(野菜、寒天、サトウキビなど)

などがあります。

金属やシリコンは、使わなくなったら再生して使えます。

また紙で作られた代替品は、脱プラスチック以降、
特に多くなったのではないでしょうか。

竹のストローや歯ブラシ、マドラーなどもよく見るようになりました。

2.バイオマスプラスチック

バイオマスプラスチックとは、
再生可能な有機資源(生ごみや家畜のふん、トウモロコシなど)を
原料としたプラスチックです。

植物は成長過程でCO₂を吸収するので、
バイオマスプラスチックを焼却してCO₂を排出しても、
実質的には排出ゼロ(カーボンニュートラル)とされます。

3.生分解性プラスチック

生分解性プラスチックは、
植物由来と化石資源由来のものがありますが、
ある一定の条件下で微生物によって分解され、
最終的に二酸化炭素と水に分解されるプラスチック
のことを言います。


プラスチックは安価である一方、
こうした代替の素材はコストがかかってしまいます。

脱プラスチックの取り組みをしっかりアピールすることで、
かかった費用は「宣伝コスト」と考えても良いでしょう。

代替素材を利用して、
環境に配慮した新しい製品の開発を検討してみてはいかがでしょうか。

植物由来の素材でつくられた子ども用食器や、
生分解性の使い捨てカトラリーなど、さまざまな製品が登場しています。


次回も引き続き、SDGsの商品アイデアについて学習します。