Lesson2-3 SDGs17の目標(3)

ゴール7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに

当たり前のように電気が使えるようになったこの時代に、
電気を使わない生活は想像もできないのではないでしょうか。

しかし、世界にはいまだに電気が使えない国や地域があります。

特に多いのはサハラ以南のアフリカやインド、パキスタンなどです。

送電線を引けないという問題もありますが、
そもそも貧しい地域では電気を買うお金もないのです。

再生可能エネルギー

日本では、石炭や石油を使う火力発電が減ってきてはいるものの、
まだ全体の70%を占めています。

火力発電はCO₂排出量がとても多いのが問題です。

石炭や石油といったエネルギーに対し、
太陽光、水力、風力、地熱、バイオマス発電などの自然エネルギーを、
「再生可能エネルギー」と言います。

その中でも太陽光発電は、家に設置している家庭も多く、
身近に感じるかもしれませんね。

太陽光発電は、屋根に設置された太陽電池が
太陽光を電気に変換します。

風力発電は、風の力を使って風車を回すことで、
風車の回るエネルギーで発電する仕組みです。

再生可能エネルギーのメリットは、
廃棄物が出ないクリーンなエネルギーであることです。

しかし、発電量が天候次第なので不安定ということと、
設備投資にお金がかかるなどのデメリットもあります。

ヨーロッパでは再生可能エネルギーを推進する国が多く、
例えばデンマークでは8割以上を占めています。

日本でも、再生可能エネルギーの主力電源化が少しずつ進められているところです。

ゴール7の主なターゲット

7.22030年までに、世界のエネルギーミックスにおける
再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。

ゴール8.働きがいも経済成長も

働きがい

「働きがいのある働き方」とは、どのような働き方でしょうか?

例として、次のような働き方があげられます。

  • 労働時間が適正の範囲内
  • 賃金の支払いが適正
  • 仕事をすることが社会貢献につながる(人の役にたつ)
  • 自分の得意分野を活かした職種に就いている

忙しすぎて家族との時間が取れない、
健康が損なわれるような働き方や、適正ではない賃金では、
働き手の意欲を削ぎます。

また自分に合わない仕事や、人のためにならないような仕事は、
働きがいがありません。

企業はこのようなことを意識して雇用を提供する必要があります。

また、先進国が豊富な労働力を求めて途上国に工場をつくる場合も、
人権を尊重した雇用であるべきです。

児童労働や強制労働はあってはなりません。

途上国の労働を守るために私たちができること

途上国の労働を守る活動ができるのは、
政府やNPOだけではありません。

一般の人であっても、
人権を無視した雇用を続ける企業を監視できる方法があります。

それは、商品がどのように製造されているかをしっかりと確認し、
納得してから購入することです。

児童労働や強制労働をさせている工場でつくられた商品などは、
買わないようにしましょう。

フェアトレード商品を買うというのも、一つの方法です。

フェアトレードでは安全な労働環境が提供され、
児童労働や強制労働が禁止されています。

ゴール8の主なターゲット

8.52030年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、
完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、

ならびに同一価値の労働についての同一賃金を達成する。

ゴール9.産業と技術革新の基盤をつくろう

経済発展のためにはインフラの整備が必要です。

インフラとは、例えば道路、鉄道、飛行場、水道といった、
社会的基盤のことを言います。

日本は国土が狭いということもあり、
インフラが整備されて恵まれていますが、
あと数年で寿命を迎えてしまうインフラが多いのが問題です。

地震などの災害もあるため、
災害にも強いインフラの整備が必要です。

またインターネットの普及はさまざまなビジネスに必要ですが、
世界でインターネットにアクセスできないのは37億人もいると言われています。

ゴール9の主なターゲット

9.1全ての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた
経済発展と人間の福祉を支援するために、
地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、
持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラを開発する。

ゴール10.人や国の不平等をなくそう

国内の所得格差

先進諸国の国々では、所得格差の問題を抱えています。

アメリカを例に挙げると、
1980年以降に格差が拡大し始め、
富裕層の上位1%が全米所得の20%を占めています。

2011年にはウォール街で、「私たちは99%だ」「ウォール街を占拠せよ」と、
貧困・格差の是正を求めてデモが起こり、
この運動は全米に拡散しました。

SDGsでは、国内の貧富の格差をなくすことも目標になっています。

国家間の経済格差

一方で、国家間の経済格差も拡大しており、
最貧国はアフリカに集中しています。

また、全人類の1%の人々が、紛争・迫害で故郷を追われています。

紛争は新たな不平等や格差を生み出し、
不平等や格差はまた紛争を生み出すという、
負の連鎖を引き起こします。

自国の人を尊重することはもちろん大切なことですが、
それと同じように他者を尊重できるようになることが必要です。

自分とは外見や価値観が異なっても恐れずに、
新しい出会いに希望を持てると良いですね。

人種・民族、性別、宗教などによる差別をなくし、
お互いを尊重できるような社会にしていきましょう。

ゴール10の主なターゲット

10.4税制、賃金、社会保障政策をはじめとする政策を導入し、
平等の拡大を漸進的に達成する。

次のレッスンでは、

11.住み続けられるまちづくりを

12.つくる責任、つかう責任

13.気候変動に具体的な対策を

の4つの目標について学習を進めます。