ゴール7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに

当たり前のように電気が使えるようになったこの時代に、
電気を使わない生活は想像もできないのではないでしょうか。
しかし、世界にはいまだに電気が使えない国や地域があります。
特に多いのはサハラ以南のアフリカやインド、パキスタンなどです。
送電線を引けないという問題もありますが、
そもそも貧しい地域では電気を買うお金もないのです。
再生可能エネルギー
日本では、石炭や石油を使う火力発電が減ってきてはいるものの、
まだ全体の70%を占めています。
火力発電はCO₂排出量がとても多いのが問題です。
石炭や石油といったエネルギーに対し、
太陽光、水力、風力、地熱、バイオマス発電などの自然エネルギーを、
「再生可能エネルギー」と言います。
その中でも太陽光発電は、家に設置している家庭も多く、
身近に感じるかもしれませんね。
太陽光発電は、屋根に設置された太陽電池が
太陽光を電気に変換します。
風力発電は、風の力を使って風車を回すことで、
風車の回るエネルギーで発電する仕組みです。
再生可能エネルギーのメリットは、
廃棄物が出ないクリーンなエネルギーであることです。
しかし、発電量が天候次第なので不安定ということと、
設備投資にお金がかかるなどのデメリットもあります。
ヨーロッパでは再生可能エネルギーを推進する国が多く、
例えばデンマークでは8割以上を占めています。
日本でも、再生可能エネルギーの主力電源化が少しずつ進められているところです。
ゴール7の主なターゲット
| 7.2 | 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける 再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。 |
ゴール8.働きがいも経済成長も

働きがい
「働きがいのある働き方」とは、どのような働き方でしょうか?
例として、次のような働き方があげられます。
- 労働時間が適正の範囲内
- 賃金の支払いが適正
- 仕事をすることが社会貢献につながる(人の役にたつ)
- 自分の得意分野を活かした職種に就いている
忙しすぎて家族との時間が取れない、
健康が損なわれるような働き方や、適正ではない賃金では、
働き手の意欲を削ぎます。
また自分に合わない仕事や、人のためにならないような仕事は、
働きがいがありません。
企業はこのようなことを意識して雇用を提供する必要があります。
また、先進国が豊富な労働力を求めて途上国に工場をつくる場合も、
人権を尊重した雇用であるべきです。
児童労働や強制労働はあってはなりません。
途上国の労働を守るために私たちができること
途上国の労働を守る活動ができるのは、
政府やNPOだけではありません。
一般の人であっても、
人権を無視した雇用を続ける企業を監視できる方法があります。
それは、商品がどのように製造されているかをしっかりと確認し、
納得してから購入することです。
児童労働や強制労働をさせている工場でつくられた商品などは、
買わないようにしましょう。
フェアトレード商品を買うというのも、一つの方法です。
フェアトレードでは安全な労働環境が提供され、
児童労働や強制労働が禁止されています。
ゴール8の主なターゲット
| 8.5 | 2030年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、 完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、 ならびに同一価値の労働についての同一賃金を達成する。 |
ゴール9.産業と技術革新の基盤をつくろう

経済発展のためにはインフラの整備が必要です。
インフラとは、例えば道路、鉄道、飛行場、水道といった、
社会的基盤のことを言います。
日本は国土が狭いということもあり、
インフラが整備されて恵まれていますが、
あと数年で寿命を迎えてしまうインフラが多いのが問題です。
地震などの災害もあるため、
災害にも強いインフラの整備が必要です。
またインターネットの普及はさまざまなビジネスに必要ですが、
世界でインターネットにアクセスできないのは37億人もいると言われています。
ゴール9の主なターゲット
| 9.1 | 全ての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた 経済発展と人間の福祉を支援するために、 地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、 持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラを開発する。 |
ゴール10.人や国の不平等をなくそう

国内の所得格差
先進諸国の国々では、所得格差の問題を抱えています。
アメリカを例に挙げると、
1980年以降に格差が拡大し始め、
富裕層の上位1%が全米所得の20%を占めています。
2011年にはウォール街で、「私たちは99%だ」「ウォール街を占拠せよ」と、
貧困・格差の是正を求めてデモが起こり、
この運動は全米に拡散しました。
SDGsでは、国内の貧富の格差をなくすことも目標になっています。
国家間の経済格差
一方で、国家間の経済格差も拡大しており、
最貧国はアフリカに集中しています。
また、全人類の1%の人々が、紛争・迫害で故郷を追われています。
紛争は新たな不平等や格差を生み出し、
不平等や格差はまた紛争を生み出すという、
負の連鎖を引き起こします。
自国の人を尊重することはもちろん大切なことですが、
それと同じように他者を尊重できるようになることが必要です。
自分とは外見や価値観が異なっても恐れずに、
新しい出会いに希望を持てると良いですね。
人種・民族、性別、宗教などによる差別をなくし、
お互いを尊重できるような社会にしていきましょう。
ゴール10の主なターゲット
| 10.4 | 税制、賃金、社会保障政策をはじめとする政策を導入し、 平等の拡大を漸進的に達成する。 |
次のレッスンでは、
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任、つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
の4つの目標について学習を進めます。

