ゴール4.質の高い教育をみんなに

初等教育に関する目標は、MDGsの2番目の目標でもありました。
MDGsでは初等教育の就学率は上がったものの、
貧困家庭の子女の就学率が低いことが依然として問題となっていました。
日本、韓国、中国などの東アジア諸国は識字率が高く、
世界平均を上回っていますが、
その一方で、南アジア諸国や中東、
アフリカでは識字率はとても低いのです。
世界には学校に行っていない子どもは5人に1人いると言われています。
ヨーロッパやアメリカなどの先進国でさえも、
生まれた地域や家庭によっては、教育格差があるのです。
日本は教育面では非常に恵まれていると言えるでしょう。
識字率が低いことで起こる問題
仕事に就けない
多くの仕事は読み書きできる能力が必要です。
読み書きができないと選べる仕事の範囲は狭くなり、
そして給与も低くなります。
これは貧困にもつながる問題です。
情報を得られない
病院へ行くのにも、公共の交通機関を利用するのにも、
食事をするのにも、読み書きは必要です。
つまり、読み書きができないと
日常生活を送ることも難しくなってしまいます。
また、紛争や災害が起きた時に正しい情報が得られないため、
身の安全の確保も難しくなるでしょう。
全ての人に教育を提供するには
初等中等教育の制度を確立し、教育を義務化する必要があります。
また、教員の養成も課題です。
ゴール4の主なターゲット
| 4.1 | 2030年までに、全ての子供が男女の区別なく、 適切かつ効果的な学習成果をもたらす、 無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。 |
ゴール5.ジェンダー平等を実現しよう

かつて、「男性が家族を養うために仕事をし、女性は家で家事と育児」
という男女の役割が決められていた時代がありました。
今では多くの先進国では男女の差が少なくなり、
女性も男性と同じように働けるようになりました。
一方で、南アジア、中東、アフリカなどの国々では、
いまだに男女差別は残ったままになっています。
日本の現状
日本は先進国であり、経済大国でもありながら、
ジェンダー平等については他の先進国に非常に遅れをとっています。
政治、経済、教育などの指数で計算した「ジェンダーギャップ指数」では、
146カ国中125位(2023年)と、
日本では男女差別が当たり前のように根付いているのです。
先ほど、”かつて「男性が家族を養うために仕事をし、
女性は家で家事と育児」という男女役割が決められていた時代がありました”
と書きましたが、「今もではないか?」と違和感を覚えた人も多いのではないでしょうか。
日本ではまだまだ、女性が出産や子育てで仕事を諦めたり、
男性の育休取得が難しかったりすることが多いです。
少しずつ良くなってきてはいるものの、
現状は昔とさほど変わっていないのです。
しかし、これを良い方に捉えると、
日本はまだまだ発展の可能性を秘めているとも言えます。
現在の日本の状況を「おかしい」と一人ひとりが気づき、
「男だから」「女だから」という心身に染みついている間違った観念を無くして、
みんなが自分の個性を活かして活躍することができれば、
日本は大きく成長していけるでしょう。
ゴール5の主なターゲット
| 5.5 | 政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。 |
ゴール6.安全な水とトイレを世界中に

ヒトの体は70%以上が水分です。
つまり、安全な水を確保することは生活を営む上でとても大切なことです。
日本では水道の蛇口から出る水をそのまま飲めますし、
それが当たり前の日常となっていますが、
他国では当たり前ではありません。
水質が悪くて飲めない場合や、
そもそも水道のインフラが整っていない、
水源がない、といった国や地域もあります。
水道が安全に飲めるのは、世界に9カ国と2都市のみで、
そのほとんどがヨーロッパの国々です。
- 日本
- アイスランド
- ノルウェー
- フィンランド
- デンマーク
- アイルランド
- ドイツ
- オーストリア
- 南アフリカ共和国
- ストックホルム(スウェーデン)
- シドニー(オーストラリア)
日本は水に恵まれた国ですが、
だからと言って無駄にしていいわけではありません。
上水と下水の管理にはたくさんのお金がかかります。
この恵まれた状況にあぐらをかくのではなく、
油を下水に流さない、節水を心がけるなど、
小さなことでも取り組む姿勢が大切です。
また森林伐採は水の保水能力を低下させるので、
なるべく避けなければなりません。
私たちに水を与えてくれるのは山や川などの自然です。
自然を大切にし、感謝して
限りある資源を使うように心がけましょう。
ゴール6の主なターゲット
| 6.5 | 2030年までに、国境を越えた適切な協力を含む、 あらゆるレベルでの統合水資源管理を実施する。 |
今回学んだ3つの目標の中でも、
「5.ジェンダー平等を実現しよう」が日本では特に大きな課題かもしれません。
日本のジェンダーギャップ指数の順位が、
これほどまでに低いことに驚いたのではないでしょうか。
このようにSDGsを学ぶことで、
これまで当たり前だったことが当たり前ではなかったと
気がつく機会にもなります。
次のページでは、
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
以上の4つの目標について学習を進めましょう。

