
Lesson1で学習した通り、
SDGsはMDGsでやり遂げられなかった目標に新たな目標も加わり、
17の目標が設定されました。
Lesson2では、それぞれの目標(ゴール)を一つ一つ、
詳しく学んでいきましょう。
ゴール1.貧困をなくそう

この目標は、MDGsの最初の目標である
「極度の貧困と飢餓の撲滅」に関係がある目標です。
MDGsのおかげで解消された部分もありますが、
いまだ7億人以上が絶対的貧困(※1)となっています。
つまり、およそ10人に1人が貧困ということになります。
SDGsではこの数字を半減させることが目標です。
また発展途上国ばかりでなく、
先進国にも相対的貧困(※2)というものが存在し、
日本の貧困率は約16%となっています。
貧しい家庭に生まれ、教育を受けることができないと、
収入を得ることも難しくなり貧困の連鎖となります。
貧困の連鎖を断つには、教育や医療などを整備する必要があるのです。
※1 絶対的貧困
食料、住居、医療、教育など、人間として最低限必要なものがない状態。
※2 相対的貧困
その国の平均所得の半額以下の世帯。
母子家庭が多く、子どもが進学を諦めたり、ヤングケアラーとなることもある。
ゴール1の主なターゲットは、Lesson1-1を復習しましょう。
ゴール2.飢餓をゼロに

世界規模で見ると、10人に1人が飢餓、
3人に1人が栄養不足になっています。
食料が不足してしまうのは、
安定的に食料を供給できないためです。
食料を自給するためには農業や畜産に携わる人材、
農耕に適した土地や十分な水源が必要ですが、
そういった資源が自国でまかなえないのであれば、
輸入に頼らなければなりません。
しかし、財源がない貧しい国はそれもできません。
また、内戦や紛争の原因の1つは食糧不足ですが、
内戦や紛争が原因で食料の供給が止まり、
新たな飢餓を招いてしまうという悪循環につながります。
持続可能な食料供給網をつくるには、
農業技術の支援、安定的な水源の確保、
森林伐採をしない、などといった対策が必要です。
日本では?
日本に目を向けると、日本は食料自給率が低いため、
国内で消費する食料の多くを海外からの輸入に頼っています。
食料の確保を輸入に頼ることは、
例えばロシアのウクライナ侵攻などにも影響を受けてしまうように、
他国の紛争や経済状況などによって、
食料不足に陥る可能性があります。
その一方で、食品の大量廃棄といった問題もあります。
スーパーでは、見た目の悪い野菜は売れずに廃棄となります。
しかし、それらの味や栄養価は変わらないのです。
消費者の気持ち一つで、
廃棄の問題は少しずつ良くなっていくかもしれません。
ゴール2の主なターゲット
| 2.1 | 2030年までに、飢餓を撲滅し、すべての人々、 特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が 一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。 |
ゴール3.すべての人に健康と福祉を

先進国と途上国の医療格差が問題となっています。
「HIV」「マラリア」「結核」といった3大感染症や、
ガンや糖尿病などの病気の予防・治療が、
すべての人に行き渡るようになるのが理想です。
途上国には検査機器・医薬品の備わった医療設備や、
医療従事者の数が少なく、
特に貧しい人々は十分な医療サービスを受けることができません。
医療体制を整えること、
そして貧しい人の医療費の公的負担などが必要となってきます。
コロナ禍による影響
先進国など経済的に豊かな国々は、
ワクチンが国民に無償で提供されましたが、
貧しい国は無償で提供することはできませんでした。
こうした感染症の流行でも、医療格差が生じてしまいます。
また上記の3大感染症は、コロナによる医療の混乱で、
2019年よりも140万人増加すると予想されています。
コロナを超えた未来
コロナ禍では、感染した人も、感染しなかった人も、
行動制限や不安などにより精神的に弱ってしまう人がたくさんいました。
しかし中には、コロナ禍であっても創造力を発揮し、
以前はできなかったことができるようになったり、
これまではなかったようなサービスが提供されるようになった
といった面もありました。
例えば、リモートワークの定着、
オンライン診療の増加などが一例としてあげられます。
世界の医療格差の問題を個人が解決するのは難しいですが、
こうした身の回りで起こることに対する少しの意識の変換でも、
SDGsに貢献できる可能性があるのです。
ゴール3の主なターゲット
| 3.3 | 2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び 顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに 肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する。 |
次のレッスンでは、
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
の3つの目標について解説します。

