Lesson2-4 SDGs17の目標(4)

ゴール11.住み続けられるまちづくりを

現在、世界人口の半数以上が都市圏に集中しており、
2050年までには6割以上にもなると見込まれています。

都市圏は生活が便利で仕事も豊富にあるため、
地方や農村から多くの人が移動します。

しかし、都市圏への人口集中は、
大気汚染、交通渋滞、自然破壊、地価高騰を引き起こすだけでなく、
スラム化や、治安の乱れといった問題も生んでしまいます。

そして、地方の過疎化が進みます。

これを止めるには都市の機能を縮小した「コンパクトシティ()」化を実現し、
リモートワークなどもさらに推し進めて、
住み続けられる(持続可能な)まちづくりに取り組む必要があります。

※コンパクトシティ

居住地域が都市郊外に広がると、ドーナツ化現象が広がります。

そして急速に郊外へ人が移り住むと、
郊外では無秩序に住宅や商業施設、道路が拡大してしまいます。

コンパクトシティは居住地域が郊外に広がらないように、
住居、商業施設、交通、公共サービスをコンパクトに集約し、
持続可能なまちづくりを目指した都市のことです。

コンパクトシティ内では、公共の交通機関や徒歩、自転車で移動できるため、
道路の渋滞がなく、CO₂の排出量を抑えられ
エネルギー消費量も少なくなります。

ゴール11の主なターゲット

11.32030年までに、包摂的かつ持続可能な都市化を促進し、
全ての国々の参加型、包摂的かつ持続可能な
人間居住計画・管理の能力を強化する。

ゴール12.つくる責任、つかう責任

現在は必要なものがすぐに手に入り、とても便利な時代です。

モノが少なかった時代に比べ、安く手に入る分、
たくさん買って、不要になればどんどん捨てます。

まさに大量生産・大量消費・大量廃棄の時代です。

しかし、あらゆる資源は「有限」です。

このような生産消費形態は、「持続可能」とは言えません。

例えば、世界の水産物の漁獲量は、
過去50年で2倍以上に増えました。

これにより、水産資源の枯渇が深刻となっています。

漁獲量を適正水準にし、資源の確保をしなければなりません。

循環型社会「3R」

持続可能は生産と消費を目指すには、「3R」が必要です。

3Rとは、「Reduce」「Reuse」「Recycle」の3つのRのことです。

Reduce(リデュース)廃棄物を減らすなるべくゴミを減らす。必要な分だけ買う。マイバックを使う
Reuse(リユース)モノを再利用する不要になったものは捨てずに、リサイクルショップを利用するなどして、再利用する。
Recycle(リサイクル)資源として再利用するゴミを分別する。リサイクルされた製品を使う。

資源を有効的に利用し、次世代のために循環型社会を目指しましょう。

サーキュラーエコノミー

サーキュラーエコノミー(Circular Economy)とは、
直訳すれば「循環する経済」という意味です。

これはEU発の取り組みであり、3Rよりも進んだ概念となります。

そもそもの資源の投入や消費から抑え、それだけではなく、
新たな産業の創出や経済成長、そして雇用の創出までをももたらす政策です。

例えば再生可能・生分解性の原材料を使うことや、
部品のリユース、製品寿命の延長などがあります。

また、最近よく聞く「シェア」もあります。

空いている空間やモノを、個人間、企業と個人間で共有する経済です。

このように、これからは循環する新しい経済活動が求められています。

ゴール12の主なターゲット

12.22030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。

ゴール13.気候変動に具体的な対策を

二酸化炭素やメタンなどといった温室効果ガスの排出量が増加すると、
地球の気温は上昇します。

地球の温暖化により、海面の上昇、夏の猛暑、干ばつ、
集中豪雨などの異常気象が発生します。

外国のハリケーンや大規模な山火事なども頻発していますね。

こうした気候変動による自然災害は深刻です。

自然災害による被災者が増えますし、
農業や漁業にも多大な影響が出ます。

気候変動を緩和するには、
温室効果ガスの排出量を抑える必要があります。

パリ協定

2015年、COP21(※)でパリ協定が採択されました。

パリ協定の長期目標は、

世界の平均気温上昇を産業革命以前と比較して2℃より十分低い水準に保ち、
1.5℃に抑える努力をすること。

世界の温室効果ガス排出量をできるだけ早くピークアウトさせ、
21世紀後半には温室効果ガス排出量を実質的にゼロにする。

となります。

※COP:地球温暖化の対策を講じるための国際的な会議。
COP21は21回目の会議。

 CO₂排出量を減らすために

 CO₂の排出量を減らすためにできることを考えてみましょう。

日常的にできることはたくさんあるようです。

例えば、

  • なるべく公共の交通機関を使う
  • エアコンの設定温度を適切にする
  • 電球をLEDにする

などです。

パリ協定では地球規模で削減目標をたて、
温室効果ガスを減らす努力をしていますが、
それは国や企業だけに任せるのではなく、
私たち一人一人も努力して排出量を減らすことが必要です。

ゴール13の主なターゲット

13.1全ての国々において、気候関連災害や自然災害に対する
強靱性(レジリエンス)及び適応の
能力を強化する。

次のレッスンでは、

14.海の豊かさを守ろう

15.陸の豊かさも守ろう

16.平和と公正をすべての人に

17.パートナーシップで目標を達成しよう

について解説します。