ゴール14.海の豊かさを守ろう

海は、地球の表面積の約7割を占めます。
海が人間に与える恵は、海産物、塩、輸送路としての航路など、
とても豊かなものであり、私たちの生活を支えてくれています。
それにもかかわらず、人間は海をゴミ場にし、
大量の廃棄物を海に捨てています。
多くの人が知らず知らずのうちに、
無自覚に海を汚しているのです。
海洋プラスチックゴミ
世界では、毎年800万トン以上ものプラスチックゴミが、
海に流出しています。
そのうち、日本から流れ出ているのは2〜6万トンと推測されます。
このままいけば2050年には、
海洋プラスチックの量が海にいる魚の量を上回るとも
予測されています。
プラスチック製品が海に流されると、
徐々に分解されてマイクロプラスチックとなり、
それを食べた魚介類が死んでしまったり、
その魚介類を食べた人間の健康被害を引き起こすこともあります。
人間は1週間にクレジットカード1枚分のプラスチックを
摂取しているという研究結果もあります。
またプラスチック製品は、見た目にはわからなくても
多くの製品に使われています。
例えば、選択洗剤や柔軟剤、衣類にも使われていて、
洗濯をするだけでマイクロプラスチックが流されてしまいます。
プラスチック製品をなるべく使わないように工夫する、
洗剤を石鹸にする、天然素材の衣類や日用品を選ぶなど、
プラスチックゴミを減らす努力が必要です。
ゴール14の主なターゲット
| 14.1 | 2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、 特に陸上活動による汚染など、 あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。 |
ゴール15.陸の豊かさも守ろう

生態系は、主に食物連鎖によって数を保っています。
しかし、森林伐採、ダムの建設、土壌汚染、外来種など、
人間の活動によって生態系が壊れ、
多くの動植物が絶滅の危機に瀕しています。
過去30年間で、178万㎢の森林が世界で減少しましたが、
これは日本の国土の4.5倍以上もの面積に値します。
さらに世界の絶滅危機種は、4万種以上にも及びます。
森林の面積は今も減り続けていますが、
森林が減少すると、土砂災害、干ばつの増加や、
大気汚染を助長します。
開発のために森林を伐採することは、
持続可能ではありません。
日本は、国土の約3分の2が森林で、それはつまり、
国土に占める森林面積比率がとても高い国だと言えます。
森林を減らさず、汚さず、動植物とどのように共生していけるのかを
考えなければいけません。
ゴール15の主なターゲット
| 15.2 | 2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、 森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、 世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。 |
ゴール16.平和と公正をすべての人に

戦争やテロ、弾圧のニュースは人々を不安にさせます。
日本でも身近なところに「暴力」や「差別」が存在しています。
大人から子どもへの暴力や、男性から女性への暴力、
そして子どもから子どもへのいじめも後を絶ちません。
Black Lives Matter
Black Lives Matter(ブラックライブズマター)※は、
もともとは2012年に、アメリカで黒人の少年が
警察官に射殺された事件をきっかけに始まった運動です。
2020年に、アフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイド氏が、
警察官の不適切な拘束により死亡してしまった事件が発生し、
黒人への人種差別撤廃を求めて、全米で抗議デモが起こりました。
人間は、人種、性別、宗教、価値観など、
多種多様です。
自分とは違う人を排除せず、認め、尊重される社会が理想です。
※Black Lives Matterは、「黒人の命は大切だ」「黒人の命を守れ」「黒人の命を軽視するな」
などと翻訳されることが多いです。
ゴール16の主なターゲット
| 16.1 | あらゆる場所において、 全ての形態の暴力及び暴力に関連する死亡率を大幅に減少させる。 |
ゴール17.パートナーシップで目標を達成しよう

目標17は、これまでの16個の目標を達成するためにすべきことが
盛り込まれています。
先進国は地球環境に配慮した、
持続可能な技術へと移行していかなければなりません。
発展途上国にとっては、SDGsの達成はより難しいものになるでしょう。
先進国は途上国へ技術支援し、
持続可能な経済成長を促すような施策が必要です。
SDGsの達成のためには、
地球に住む人々が力を合わせて、
地球規模で行動をしていく必要があります。
政府だけでなく民間企業、教育機関、そして個々人が、
国際的なパートナーシップを築き、
自分たちの幸せだけではなく、みんなが豊かで幸せになる方法を、
考えていく時なのです。
私たち個人が今すぐできることは何でしょうか。
- SDGsに取り組んでいる企業の製品を使う
- なるべくゴミを出さないような生活を心がける
- 自分とは見た目や考え方が異なる人々のことを知ってみる
- SDGsについて家族や友だちと話してみる
などから取り組んでみましょう。
ゴール17の主なターゲット
| 17.3 | 複数の財源から、開発途上国のための追加的資金源を動員する。 |
Lesson2では17の目標について、
1つ1つ学習しました。
1人の力は小さくても、
みんなで取り組めば大きな力になると思いませんか。
日々の生活の中でも、SDGsを意識して行動してみましょう。
次のレッスンでは、個人で取り組めるSDGsについて学習します。

