Lesson2-5 SDGs17の目標(5)

ゴール14.海の豊かさを守ろう

海は、地球の表面積の約7割を占めます。

海が人間に与える恵は、海産物、塩、輸送路としての航路など、
とても豊かなものであり、私たちの生活を支えてくれています。

それにもかかわらず、人間は海をゴミ場にし、
大量の廃棄物を海に捨てています。

多くの人が知らず知らずのうちに、
無自覚に海を汚しているのです。

海洋プラスチックゴミ

世界では、毎年800万トン以上ものプラスチックゴミが、
海に流出しています。

そのうち、日本から流れ出ているのは2〜6万トンと推測されます。

このままいけば2050年には、
海洋プラスチックの量が海にいる魚の量を上回るとも
予測されています。

プラスチック製品が海に流されると、
徐々に分解されてマイクロプラスチックとなり、

それを食べた魚介類が死んでしまったり、
その魚介類を食べた人間の健康被害を引き起こすこともあります。

人間は1週間にクレジットカード1枚分のプラスチックを
摂取しているという研究結果もあります。

またプラスチック製品は、見た目にはわからなくても
多くの製品に使われています。

例えば、選択洗剤や柔軟剤、衣類にも使われていて、
洗濯をするだけでマイクロプラスチックが流されてしまいます。

プラスチック製品をなるべく使わないように工夫する、
洗剤を石鹸にする、天然素材の衣類や日用品を選ぶなど、
プラスチックゴミを減らす努力が必要です。

ゴール14の主なターゲット

14.12025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、
特に陸上活動による汚染など、
あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。

ゴール15.陸の豊かさも守ろう

生態系は、主に食物連鎖によって数を保っています。

しかし、森林伐採、ダムの建設、土壌汚染、外来種など、
人間の活動によって生態系が壊れ、

多くの動植物が絶滅の危機に瀕しています

過去30年間で、178万㎢の森林が世界で減少しましたが、
これは日本の国土の4.5倍以上もの面積に値します。

さらに世界の絶滅危機種は、4万種以上にも及びます。

森林の面積は今も減り続けていますが、
森林が減少すると、土砂災害、干ばつの増加や、
大気汚染を助長します。

開発のために森林を伐採することは、
持続可能ではありません。

日本は、国土の約3分の2が森林で、それはつまり、
国土に占める森林面積比率がとても高い国だと言えます。

森林を減らさず、汚さず、動植物とどのように共生していけるのかを
考えなければいけません。

ゴール15の主なターゲット

15.22020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、
森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、
世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。

ゴール16.平和と公正をすべての人に

戦争やテロ、弾圧のニュースは人々を不安にさせます。

日本でも身近なところに「暴力」や「差別」が存在しています。

大人から子どもへの暴力や、男性から女性への暴力、
そして子どもから子どもへのいじめも後を絶ちません。

Black Lives Matter

Black Lives Matter(ブラックライブズマター)※は、
もともとは2012年に、アメリカで黒人の少年が
警察官に射殺された事件をきっかけに始まった運動です。

2020年に、アフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイド氏が、
警察官の不適切な拘束により死亡してしまった事件が発生し、
黒人への人種差別撤廃を求めて、全米で抗議デモが起こりました。

人間は、人種、性別、宗教、価値観など、
多種多様です。

自分とは違う人を排除せず、認め、尊重される社会が理想です。

※Black Lives Matterは、「黒人の命は大切だ」「黒人の命を守れ」「黒人の命を軽視するな」
などと翻訳されることが多いです。

ゴール16の主なターゲット

16.1あらゆる場所において、
全ての形態の暴力及び暴力に関連する死亡率を大幅に減少させる。

ゴール17.パートナーシップで目標を達成しよう

目標17は、これまでの16個の目標を達成するためにすべきことが
盛り込まれています。

先進国は地球環境に配慮した、
持続可能な技術へと移行していかなければなりません。

発展途上国にとっては、SDGsの達成はより難しいものになるでしょう。

先進国は途上国へ技術支援し、
持続可能な経済成長を促すような施策が必要です。

SDGsの達成のためには、
地球に住む人々が力を合わせて、
地球規模で行動をしていく必要があります。

政府だけでなく民間企業、教育機関、そして個々人が、
国際的なパートナーシップを築き、
自分たちの幸せだけではなく、みんなが豊かで幸せになる方法を、
考えていく時なのです。

私たち個人が今すぐできることは何でしょうか。

  • SDGsに取り組んでいる企業の製品を使う
  • なるべくゴミを出さないような生活を心がける
  • 自分とは見た目や考え方が異なる人々のことを知ってみる
  • SDGsについて家族や友だちと話してみる

などから取り組んでみましょう。

ゴール17の主なターゲット

17.3複数の財源から、開発途上国のための追加的資金源を動員する

Lesson2では17の目標について、
1つ1つ学習しました。

1人の力は小さくても、
みんなで取り組めば大きな力になると思いませんか。

日々の生活の中でも、SDGsを意識して行動してみましょう。

次のレッスンでは、個人で取り組めるSDGsについて学習します。