Lesson3-3 生活の中で取り組むSDGs

このページでは、私たちの生活になくてはならない日用品が
環境に与えている負荷を知り、
これからは環境のためにどのようなものを選んだら良いかを考えていきましょう。

よく使う日用品の選び方

洗濯洗剤

ドラッグストアで販売されている洗濯洗剤の多くが合成洗剤です。

合成洗剤は安価で良い香りもしますが、
環境に負荷を与えていることを知っていますか。

合成洗剤は合成界面活性剤、蛍光増白剤、香料など、
さまざまな成分でできています。

例えば合成界面活性剤は、
生物のホルモンバランスを崩して、生殖能力に影響を与えます。

また川や海に流れてもなかなか分解されないという問題もあります。

何を選ぶ?

洗濯洗剤は、石けん洗剤か植物由来の界面活性剤のものを使いましょう。

石けんや植物由来の界面活性剤は毒性が少なく、
素早く生分解されます。

しかし、いずれにせよ洗剤の使用は環境に負荷を与えます。

なるべく生分解性のある洗剤を選び、
正しい使用量を守って使うようにしましょう。

生理用品

生理用品は女性にとってなくてはならない日用品です。

生理用品の発明によって、
女性は生理中も普通に仕事や学校に行くことができるようになりました。

しかし、環境への負荷はやはりあります。

ほとんどの生理用品は使い捨てなので、
1人の女性が一生のうちに出すゴミの量は、相当なものです。

また生理用品をトイレにあやまって流すと、
排水管のつまりを引き起こし、水質汚染にもつながります。

生理用品の材料にはプラスチックも含まれるので、
それらは海に流れるとマイクロプラスチックとなります。

何を選ぶ?

使い捨てではない生理用品を選びましょう。

さまざまなデザインの布ナプキンが販売されています。

洗って繰り返し使えるので、使い捨てよりも経済的です。

ナプキンはオーガニックコットンで作られたものが良いでしょう。
(使い捨てを使う場合もオーガニックコットンのものがあります)

オーガニックでないコットンは、
殺虫剤が使われているので環境にも、肌にも良くありません。

月経カップ(膣に直接挿入するシリコン製のカップ)も
近年は人気が高まっています。

初期費用はかかりますが、
正しく使えば何年も使えるので、こちらも経済的です。

テイクアウト用のコーヒーカップ

現代は町を歩けばすぐにカフェがあり、
気軽にティータイムを楽しめるようになりました。

それに伴い、プラスチック製のカップが大量に使われるようになりました。

カップの部分は紙製と思われていますが、
紙をプラスチックでコーティングして、
水分が漏れないようになっています。

こうした使い捨てのカップは、
全てリサイクルされていると思われがちですが、
実はリサイクル率はわずか数%にとどまっており、
ほとんどがゴミとなっています。

何を選ぶ?

できることは1つ。

カフェでテイクアウトをよく利用する人は、
マイカップを買い、常に携帯しておくことです。

好みによって保温機能があるものや、
持ち運びに便利な折りたたみ式のカップなど、
さまざまなマイカップが販売されています。

1つ買って、それをできるだけ長く使うことが環境負荷を減らすことにつながります。

リキッドソープ

多くの人が、シャンプー、ボディーソープ、ハンドソープは
リキッドタイプのものを利用しています。

想像しただけでも、包装するために
ものすごい量のプラスチックが使われていることがわかりますね。

リキッドソープのラベルを見たことはありますか。

そのほとんどが、どのような成分かわからないものです。

それらの成分の中には、
環境に良くない影響を与える化学物質も含まれています。

またリキッドソープは重いため、
輸送費もかかり、その分温室効果ガスも排出します。

何を選ぶ?

リキッドソープよりも固形石けんを選びましょう。

固形石けんも環境に負荷はかかりますが、
リキッドソープよりもずっと少ない量で済みます。

リキッドソープはパッケージの生産でも、
固形石けんよりも20倍ほどのエネルギーが使われていると
言われています。

ハンドソープやボディーソープだけでなく、
シャンプーも固形石けんがあります。

できるだけ紙包装の固形石けんを選び、最後まで使い切るようにしましょう。

ウェットティッシュ

ウェットティッシュはとても便利です。

手の除菌用だけでなく、
トイレやフローリング用、キッチン用、おしりふき、メイク落としなど、
さまざまなタイプのものがあります

ウェットティッシュと聞くと、
ティッシュと同じ素材でできているように勘違いする人が多いのですが、
ウェットティッシュはプラスチックでできた繊維に、
洗浄剤や防腐剤などを染み込ませたものです。

間違えてトイレに流してしまうと、
トイレットペーパーとは素材が違うので、
生分解されません。

海や川で捨てられたウェットティッシュは、
そこに住んでいる生物が誤って食べてしまったり、
細かくなってマイクロプラスチックとなります。

何を選ぶ?

一番良い方法は、昔の方法に戻ることです。

昔はウェットティシュがなかったので、
掃除には雑巾を使っていました。

赤ちゃんのおしりふきには肌に良くない成分が入っているものが多いので、
ウェットティッシュはそもそもあまり良くありません。

コットンで代用する方が安心で、まだ環境負荷も少ないでしょう。

全てのウェットティッシュをやめるのは難しいかもしれませんが、
なるべくゴミを減らす努力ができると良いですね。


私たちは生活をするだけで、
無意識のうちに地球を汚してしまっています。

何を使うかよく考え、
その選択がベストなものであるか、意識して生活したいものです。