
SDGsへの取り組みは中小企業にもできることがたくさんあり、
そしてそれが自社の利益にもなります。
Lesson5では、中小企業がSDGsに取り組むべき理由やメリットなどについて
学習していきましょう。
SDGsに関連するキーワード
これからSDGsとビジネスを学んでいく時に、
SDGsに関連するキーワードがいくつか出てきます。
内容をよく理解するためにも、
ここで先に整理しておきましょう。
SDGsと似たようなキーワードも多いですが、
これらのキーワードは「SDGsの目標を達成するための手段である」と考えると
わかりやすくなります。
CSR
CSRは、Corporate Social Responsibilityの略称で、
1990年代よりよく使われるようになりました。
日本語では、「企業の社会的責任」と訳します。
企業は営利組織ではありますが、
社会の一員として社会や環境との調和を考慮して経営すべきです。
企業活動が社会に与える影響に対して、
企業は責任を取ることが求められます。
CSRの原則には、
「説明責任」「透明性」「倫理的な行動」「法令遵守」などがあります。
ステークホルダー
ステークホルダーは、日本語では「利害関係者」と言います。
従来は、企業がビジネスで関わる顧客、金融機関、取引先、官庁など、
企業と利害関係のある組織を指しましたが、
SDGsの登場によりNPO団体や自治体、学校にまで、
利害関係の概念が広がるようになりました。
これからの企業は顧客からの評価(経済的価値)の追求だけでなく、
ステークホルダーからの評価(社会的価値)の追求も
求められます。
サスティナビリティ
サスティナビリティは英語で「Sustainability」です。
日本では「サスティナビリティ」「持続可能な」の両方が使われています。
SDGsにおけるサスティナビリティとは、
経済・社会・環境のバランスを取って安定的に営まれ、
現代から未来への受け継ぎが可能な状態のことを言います。

エシカル
エシカルは英語で「Ethical」です。
日本語では「倫理的な」と訳されます。
「エシカルビジネス」とは、
顧客の利便性や利益の追求だけではなく、
製品やサービスが影響を与える環境や社会にも配慮して、
開発をすることです。
「エシカル消費」は、
環境や社会に配慮した商品やサービスを、
私たちが選択して買い求めることです。
エシカル消費は、個々人がSDGsの達成に対して、
実践しやすい活動の1つです。
ESG
ESGは、
- Environment(環境)
- Social(社会)
- Governance(企業統治)
の略称です。
ESG問題とは、人類が技術的発展により豊かになった一方で、
環境破壊など持続可能性を脅かしていることです。
ESG問題は企業にとってリスクともなり、
環境・社会・企業統治の3つを考慮した企業活動が求められています。
※ESGについては、Lesson6で詳しく学習します。
マルチベネフィット
マルチベネフィットとは、
SDGsの課題に取り組むことで、
1つの目標だけでなく、それ以外の目標にも効果をもたらすことです。
例えば人材不足解消のために、
シングルマザーの採用を積極的に進めるとします。
経済的弱者になるシングルマザーを採用することで「ゴール1.貧困をなくそう」
に貢献すると同時に、
「ゴール5.ジェンダー平等を実現しよう」
にもアプローチすることができます。
SDGs関連のキーワードについて解説をしました。
これからのレッスンでこれらのキーワードが出てきた時は、
このレッスンに戻って復習すると良いでしょう。
次のページでも、
SDGsとビジネスの基礎について学習を進めます。

