Lesson7-3 SDGs実践の手引き③

目標を設定しよう

SDG Compassステップ3

優先課題を決めたら、ステップ3では目標の設定をしていきましょう。

目標範囲の設定、KPIの設定

目標は、範囲と期限を明確にしてください。

例えば「ジェンダー平等を実現する」といった目標は、
範囲が広く具体性に欠けます。

より具体的で、計測ができるような目標を設定しましょう。

それには「KPI(主要業績評価指標)」の設定が必要となります。

KPIとは、目標に向けたプロセスの中で達成度合いを計測するための指標です。

先ほどの「ジェンダー平等を実現する」という目標では、
「女性管理職の比率を◯◯までに◯%以上にする」
というのがKPIになります。

KPIをしっかり設定することで、
どれぐらい目標に近づいたかを数値で確認することができます。

KPIの設定は、「SMART」という要素を組み込み込んで
考えましょう。

Specific(具体性)

目標は具体的でわかりやすいか?

Measurable(計測可能な)

数値を入れた目標にしているか?

取り組みの評価を客観的に評価するには、
できるだけ数値目標を設定したほうが良いでしょう。

Achievable(達成可能な)

現実的な目標であるか?

現実離れした目標ではなく、
会社の現状を反映した目標にしましょう。

Relevant(関連性)

目標と成果に関連性はあるか?

目標と成果に関連性がないと評価ができません。

Time-bounded(期限)

目標の達成期限を設けているか?

目標達成に向けて計画的に取り組むためには、
期限の設定は不可欠です。


初めてSDGsに取り組む時に大切なことは、
達成可能な目標にすることです。

目標を達成することが、
次の取り組みへのモチベーションにもつながるからです。

もしも複数の目標を設定するなら、
その中のいくつかは、
チャレンジングな目標にも挑戦して良いでしょう。

ベースラインの設定」と「目標タイプの選択

ベースラインは、基準となる特定の時点、期間のことです。

例えば、次のような設定になります。

【時点】
「温室効果ガス排出量を、2013年末と比較して、
2020年末までに◯%削減する」
→2013年末がベースライン。

【期間】
「2020年から2022年までの3年間の温室効果ガス排出量を、
2016年から2018年までと比較して◯%削減する」
→2016年〜2018年がベースライン

目標タイプは、「絶対目標」または「相対目標」から選びます。

【絶対目標】
2020年のリユース瓶回収率を70%にする。
→企業の経営状況などを考慮しないで設定する目標。

【相対目標】
2020年の売上高1000万円に対する食品廃棄率を◯%削減する。
→企業の経営状況を考慮して設定する目標。

目標の公表

設定した目標は、【SDGs宣言】として、
企業のホームページなどで公表することが推奨されています。

宣言することにより、従業員や取引先の気が引き締まり、
モチベーションを高められるからです。

またステークホルダーにアピールもでき、
対話のきっかけになることもあるでしょう。

SDGsのロゴやアイコンには使用ルールがあるので、
宣言書に使う場合は下記のガイドラインを参照し、
注意して使用してください。

SDGsロゴ・アイコンガイドライン

目標設定のポイント

長期的な目標設定をする時

「2050年までに」など長期的な目標を設定する時は、
短期的、中期的な目標も一緒に設定しましょう。

長い期間の間に担当者の入れ替えがあったりと、
責任が曖昧になりがちだからです。

例えば2050年までにカーボンニュートラルを目標とするなら、
2030年までに温室効果ガス排出量を◯%削減、
再生可能エネルギー使用率を◯%まで上げるなどといった具合です。

公表は必ずしも必要ではない

目標の公表は推奨されてはいますが、
必ずしも全てを公表する必要はありません。

公表は責任を伴い、
達成できなかった場合には批判される可能性もあるからです。

そういったリスクも踏まえ、
何を公表するかは社内で慎重に判断したほうが良いでしょう。


目標設定の方法について解説しました。

特にKPIの設定は重要で、
SDGs取り組みの評価には不可欠となります。

誰が見ても効果がわかるように、
しっかりと社内で検討して設定しましょう。